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書誌情報

Vol.64 No.5 September 2016

症例報告

播種性アスペルギルス症に対し抗真菌薬の併用で病巣の縮小を得た1例

松井 知治1, 2), 佐原 直日1, 2), 坂本 奈美1), 安山 浩信1), 藤井 知紀1, 2), 入江 誠治1), 植草 利公3)

1)独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院血液内科
2)同 腫瘍内科
3)同 病理診断科

要旨

 播種性アスペルギルス症にvoriconazole(VRCZ)とcaspofungin(CPFG)の併用療法で全病巣の縮小を得た1例を経験したので報告する。症例は76歳男性。X-1年4月に慢性好酸球性白血病と診断され,imatinibとprednisoloneによる治療が行われていた。X年8月初旬に高熱あり,侵襲性肺アスペルギルス症の診断となったが,VRCZの内服で熱型,炎症反応,画像所見の改善を認めた。同年9月末に再度高熱あり,CTで皮下組織を含む全身諸臓器に多発結節性病変を認めた。皮下結節の生検より播種性アスペルギルス症の診断となった。VRCZとCPFGとを併用することによって全身臓器の播種性病変は縮小し,それを長期に維持することができた。

Key word

voriconazole, caspofungin, disseminated aspergillosis

別刷請求先

神奈川県川崎市中原区木月住吉町1-1

受付日

平成27年10月28日

受理日

平成28年5月6日

日化療会誌 64 (5): 750-754, 2016