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書誌情報

Vol.66 No.5 September 2018

原著・基礎

国内臨床分離株に対するTazobactam/Ceftolozaneのin vitro抗菌力

日高 裕介1), 岸 直子2), 松本 哲2), 吉成 智子3), 森 眞彦1)

1)MSD株式会社グローバル研究開発本部薬事領域非臨床開発部
2)株式会社LSIメディエンスメディカルソリューション本部臨床検査センター感染症検査部微生物検査グループ
3)MSD株式会社グローバル研究開発本部クリニカルリサーチ領域

要旨

 2016年に分離された日本国内の臨床分離株(2,050株)に対して,セファロスポリン系抗菌薬のceftolozane(CTLZ)とβ-ラクタマーゼ阻害剤のtazobactam(TAZ)を組み合わせた新規配合剤であるTAZ/CTLZのin vitro抗菌活性をClinical and Laboratory Standard Instituteの薬剤感受性標準法に準じて評価した。
 主要な起因菌であるEscherichia coliKlebsiella pneumoniaeProteus mirabilisPseudomonas aeruginosa(各100株)に対するTAZ/CTLZのMIC50/90は,それぞれ0.25/0.5,0.25/0.5,0.25/0.5,1/2 μg/mLであった。さらに,AmpC産生のP. aeruginosa(15株)に対してもMIC50/90は1/2 μg/mLであった。その他,TAZ/CTLZは一部のグラム陽性菌,大部分のグラム陰性菌および嫌気性菌に対して幅広い抗菌活性を示すと同時に,基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生およびAmpC産生の耐性菌に対しても同様の抗菌活性を示した。対照薬のimipenem,meropenem,tazobactam/piperacillin,sulbactam/ampicillin,sulbactam/cefoperazone,ceftazidime,cefepimeおよびlevofloxacinと比べ,TAZ/CTLZはAmpC産生菌を含むP. aeruginosaに対して最も強い抗菌活性を示した。
 以上の成績から,TAZ/CTLZは耐性菌を含むグラム陰性菌の国内臨床分離株に対して幅広い抗菌スペクトルを示し,優れた臨床有効性が期待できる抗菌薬であると考えられた。

Key word

tazobactam/ceftolozane, cephalosporins, susceptibility, Pseudomonas aeruginosa

別刷請求先

東京都千代田区九段北一丁目13-12 北の丸スクエア

受付日

2017年12月25日

受理日

2018年4月2日

日化療会誌 66 (5): 567-577, 2018