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書誌情報

Vol.66 No.5 September 2018

市販後調査報告

乳幼児(新生児を含む)に対するfluconazoleの有効性と安全性―特定使用成績調査―

村田 孔一1), 大島 純一2), 杉山 典子3), 朴沢 博之4), 渡辺 幸栄5), 杉本 奈扶美6)

1)ファイザー株式会社エスタブリッシュ医薬品事業部門メディカルアフェアーズ統括部
(現:同 エッセンシャルヘルス事業部門病院専任統括部
2)同 市販後調査企画マネジメント部
3)同 臨床統計部
4)同 スタティスティカル・プログラミング & アナリシス部
5)同 データ・モニタリング & マネジメント部
6)同 エスタブリッシュ医薬品事業部門メディカルアフェアーズ統括部
(現:同 市販後調査企画マネジメント部)

要旨

 Fluconazole(ジフルカン®,以下,本剤)注射剤およびカプセル剤は,2011年11月,公知申請により「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の効能・効果および小児に対する用法・用量について追加承認を取得した。また,2012年2月には新剤形としてドライシロップ剤の承認を取得した。本邦では,新生児および乳幼児に対する本剤の使用経験の報告が乏しいことから,今回,7歳未満の乳幼児(新生児を含む)を対象として,使用実態下における安全性および有効性に関する情報収集を目的とした特定使用成績調査を実施した。安全性解析対象症例27例中,副作用は肝障害が1例認められ,副作用発現症例率は3.7%(1/27例)であった。重篤な副作用および未知の副作用は認められなかった。有効性解析対象症例27例のうち,治療目的で本剤が使用された症例は2例で,「有効」が1例,「判定不能」が1例,であった。真菌学的効果有効と判定された1例において,菌消失はみられなかった。また予防目的で本剤が使用された症例は25例で,深在性真菌症を発症した症例はなかった。以上より,本剤の乳幼児(新生児を含む)における安全性および有効性について,新たな注意喚起を要する特記すべき事項はないと考えられた。

Key word

fluconazole, child, fungal infection, postmarketing surveillance, adverse reaction

別刷請求先

東京都渋谷区代々木3-22-7

受付日

2017年11月29日

受理日

2018年4月3日

日化療会誌 66 (5): 600-609, 2018