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書誌情報

Vol.66 No.6 November 2018

総説

遺伝子検査の導入による新しい感染症診療

栁原 克紀, 森永 芳智, 岩永 祐季, 山川 壽美, 岡田 侑也, 木村 由美子, 赤松 紀彦, 賀来 敬仁, 宇野 直輝, 小佐井 康介

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科展開医療科学病態解析・診断学
長崎大学病院検査部

要旨

 感染症診療における微生物検査に,遺伝子検査の導入が進んでいる。これまで行われてきた研究レベルの解析で課題であった標準化・簡素化の課題が整理され,臨床検査として業務に取り入れやすくなった。遺伝子検査は高い特異性と優れた検出感度をもたらすだけでなく,培養を基本とする検査が苦手としていたウイルス,寄生虫,細菌関連毒素など検出対象を拡げることにもつながる。過剰診断の可能性やコスト面での課題はこれから理解を深めるべき点であるものの,早期により正確に診断できるため,感染症治療効果や抗菌薬の適正使用への貢献が期待される。従来からの検査と遺伝子検査を用いた新しい感染症診療を築く時代となった。

Key word

polymerase chain reaction, multiple-target nucleic acid test, molecular diagnosis

別刷請求先

長崎市坂本1-7-1

受付日

2018年4月13日

受理日

2018年6月11日

日化療会誌 66 (6): 729-737, 2018