Vol.66 No.6 November 2018

短報

Ceftriaxone投与後に発生した偽胆石症の2例

石川　周^1）, 小松　康之^2）

^1）森町国民健康保険病院外科^＊
2）小松内科循環器医院

要旨

　第3世代セフェム系のceftriaxone（CTRX）投与による偽胆石症の2例を経験した。2例とも無症候性に経過し，1例は投与中止後33日目には消失を確認した。多くの偽胆石症は自然消失するが，0～19％に腹痛・嘔気・嘔吐などの症状を認め，まれに急性胆嚢炎などの合併症も報告されている。したがって，CTRX投与に際して腹痛や肝機能障害などを認めた場合には，偽胆石症の発生を念頭に置いて腹部超音波検査や腹部単純CT検査を行い，薬剤投与中止を含めて適切な対応を行う必要があると考えられた。

Key word

ceftriaxone, side effect, biliary pseudolithiasis

別刷請求先

^＊北海道茅部郡森町字上台町326

受付日

2018年2月26日

受理日

2018年6月25日

日化療会誌 66 (6): 762-765, 2018