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書誌情報

Vol.67 No.3 May 2019

総説

海外渡航者向けワクチンの開発および使用方法の現状

濱田 篤郎

東京医科大学病院渡航者医療センター

要旨

 トラベラーズワクチンとは海外渡航者を対象に感染症予防のため接種するワクチンである。現在までに海外渡航者にリスクのある多くの感染症にワクチンが開発されているが,マラリアのようにワクチンが開発中の感染症もある。本稿では,すでに開発されているトラベラーズワクチンとして,コレラ,A型肝炎,E型肝炎,日本脳炎,髄膜炎菌感染症,狂犬病,ダニ媒介脳炎,腸チフス,黄熱のワクチンについて,その製剤の特徴や海外渡航者への使用方法について解説する。開発中のワクチンとしては,デング熱,マラリア,ジカウイルス感染症,毒素原性大腸菌感染症のワクチンを取り上げ,その開発状況を紹介する。なお,デング熱には最近開発されたワクチンがあるが,安全性や有効性が問題になっており,この問題を含めて新たなワクチンの開発状況を紹介する。

Key word

vaccine, traveler, dengue fever, malaria, Zika virus infection

別刷請求先

東京都新宿区西新宿6-7-1

受付日

2018年9月14日

受理日

2018年12月25日

日化療会誌 67 (3): 355-367, 2019