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書誌情報

Vol.67 No.4 July 2019

総説

歯科処置に関連した菌血症と感染性心内膜炎抗菌薬予防投与の現在地

坂本 春生

東海大学医学部付属八王子病院歯科・口腔外科

要旨

 抜歯などの歯科処置により生じる一過性の菌血症が,感染性心内膜炎発症の原因となることが古くから指摘され,米国心臓協会などから抗菌薬予防投与ガイドラインが提示されている。菌血症により口腔内の細菌は相当数血液中に流入するがその種類は非常に多く,レンサ球菌のみが選択的に侵入しているわけではない。抗菌薬の予防投与の効果については,大規模な臨床試験が不可能なため,明確な結論がでていない。このような中で,予防投与を完全に中止した英国の動きが契機となり,世界的に大きな動きが起こっている。日本循環器学会も2018年3月に『感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017年改訂版)』を発表し,日本独自の考え方を明確に打ち出している。本総説では,歯科処置にかかわる菌血症と感染性心内膜炎との関係,その予防にかかわる現在の状況に関して,概説した。

Key word

infective endocarditis, antibiotic prophylaxis, oral care, bacteremia

別刷請求先

東京都八王子市石川町1838

受付日

2018年9月20日

受理日

2019年1月8日

日化療会誌 67 (4): 429-437, 2019