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書誌情報

Vol.67 No.4 July 2019

抗菌薬感受性報告

2015年4月から2017年4月に分離されたMRSAのダプトマイシンに対する感受性調査(追加報告)―特定使用成績調査結果―

近藤 孝行1), 黒川 利徳1), 池田 秀敏2), 木股 正博1), 前川 慎一郎2)

1)MSD株式会社メディカルアフェアーズ
2)同 ファーマコビジランス

要旨

 2015年4月から2017年4月の2年間に,国内における患者の血液および皮膚・軟部組織検体より分離されたmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA;それぞれ各年100株および200株)に対する,daptomycin(DAP),vancomycin,teicoplanin,linezolid,arbekacinの抗菌力をClinical and Laboratory Standards Instituteに従って測定した。また,2012年4月から2015年4月におけるMRSAのDAPに対する感受性結果(日化療会誌2017;65:821-4)と併せて5年間の年次推移を集計した。その結果,2015年および2016年に収集したMRSAに対するDAPのMIC90は,血液,皮膚・軟部組織由来株とも0.5 μg/mLですべての分離菌はDAPに感受性となり,DAPの幾何平均MICも両年度で変化は認められなかった。また,2012年度から2014年度の分離株と比較しても,MIC90および幾何平均MICの変化は少なかった。さらに,いずれの対照薬についても耐性の分離株はなく,年度による幾何平均MICの変動もなかった。これらのことは本邦においてDAPに対しMRSAの感受性は高く,経年的な変化が少ないことを示すものであった。

Key word

daptomycin, vancomycin, MRSA, surveillance

別刷請求先

東京都千代田区九段北一丁目13-12 北の丸スクエア

受付日

2018年11月27日

受理日

2019年2月26日

日化療会誌 67 (4): 488-492, 2019