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書誌情報

Vol.67 No.6 November 2019

総説

薬剤性過敏症症候群―臨床から診断,治療,非HIV感染者の免疫再構築症候群の概念をふまえて―

水川 良子, 塩原 哲夫

杏林大学医学部皮膚科

要旨

 薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome/drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms:DiHS/DRESS)は,カルバマゼピンやアロプリノール,サルファ薬などの限られた薬剤によって生じる重症薬疹の一つである。しかし,通常の薬疹とは異なるさまざまな臨床的特徴を有することが知られている。中でも,被疑薬中止にもかかわらず,2峰性,3峰性に皮疹および臓器障害を繰り返す点が挙げられる。われわれはDiHS/DRESSの経過中にヒトヘルペスウィルス6型をはじめとするさまざまなヘルペスウィルスが連続的に再活性化することを明らかにしてきた。DiHS/DRESSでみられるこのような臨床的特徴およびウィルス再活性化を含む検査データから,DiHS/DRESSの病態は薬剤アレルギーとしてのみでなく,免疫再構築症候群としての側面を有している。DiHS/DRESSのステロイド治療中にみられるさまざまな感染症は,発症1カ月前後のステロイド減量中に認められる。今回は,DiHS/DRESSの臨床的特徴,病態および治療に関して述べる。

Key word

drug-induced hypersensitivity syndrome, drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms, immune reconstitution inflammatory syndrome

別刷請求先

三鷹市新川6-20-2

受付日

2018年10月29日

受理日

2019年6月25日

日化療会誌 67 (6): 620-627, 2019