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お知らせ

新編集委員長より

新編集委員長 虎の門病院 臨床感染症科 荒岡秀樹

この度、日本化学療法学会雑誌の新編集委員長を拝命いたしました。歴代の編集委員長、小林治前編集委員長の良き伝統をひきつぎ、さらに本学会誌が発展できるように尽くしてまいります。
学会の顔となるべき本学会誌の活性化には、学会員の皆様からの積極的な投稿が不可欠です。学会員の皆様にとって、より投稿しやすい環境を構築すべく、いくつかの改善案を新編集委員会内で議論しており、今後実行に移してまいります。
ここでは、新編集委員会として当面重点を置いて取り組む編集方針を、皆様へ公表いたします。
新編集委員が一丸となって、学会員に有用な情報を届けていけるよう努力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1.薬剤師の皆様からの投稿を歓迎します。

薬剤師の皆様からの「抗菌薬適正使用」「Antimicrobial Stewardship Team(AST)」「Therapeutic Drug Monitoring(TDM)」をキーワードとした原著論文、短報、症例報告を歓迎いたします。抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス(2017年初版1)、本稿執筆時点で2024年度改訂版へのパブリックコメント募集中)においても、医師のみならず薬剤師、臨床検査技師をはじめとした多職種での取り組みが重要とされています。薬剤師の皆様からチームとしての取り組みと有用性について、積極的な投稿をお願いいたします。新編集委員会としても、この方針に対応するため、薬剤師の担当副編集委員長1名、編集委員2名体制としております。

2.症例報告を歓迎します。

新編集委員長として、症例報告(症例シリーズを含む)を重視いたします。症例報告を受け付ける国際誌は近年限られてきており、日本語で議論を展開し、学会員に有用な情報を提供する場として重要と考えています。
症例報告を重視するにあたり、キーワードとして「抗菌薬適正使用」、抗菌薬適正使用に貢献できる症例報告の増加を目指します。抗菌薬選択のみならず、抗菌薬の投与期間2)やde-escalation3)、TDMなど多方面からの議論を期待します。診断や疾患の新規性は必ずしも求めません。一方、症例報告も科学論文です。症例から得られた「知見」「教訓」「疑問点」を明確化し、それを適切に考察する一連の過程を重視します。

3.基礎的な実験データの投稿を歓迎します。

本学会誌は、臨床的な論文のみならず、サーベイランスデータ、菌株の感受性測定、抗微生物薬の併用効果、創薬につながる新規抗微生物薬の基礎データ、など幅広い抗菌化学療法についての知見を発表する場として発展してきました。近年投稿数が特に減少している「原著・基礎」の投稿を歓迎いたします。

4.その他

手元に冊子体が届かず、オンラインでの閲覧が主流になった現在、会員の皆様へ「読みにいきたい」と思っていただけるような特集を組むことを検討しています。編集委員会から、「総説」「教育講演などの招請総説」「座長推薦論文」「編集委員推薦論文」など様々な形で、会員の皆様へ投稿のお願いをいたします。その際は、通常の査読過程を経ることをご承知おきの上、積極的にお引き受けいただければ幸いです。

利益相反自己申告:申告すべきものなし。

文献

  1. 8学会合同抗微生物薬適正使用推進検討委員会. 抗菌薬適正使用支援プログラム実践のためのガイダンス. 日化療会誌. 2017; 65(5): 650-687.
  2. Spellberg B, Rice LB. The Shorter Is Better movement: past, present, future. Clin Microbiol Infect. 2023; 29(2): 141-142.
  3. Stohs EJ, Abbas A, Freifeld A. Approach to febrile neutropenia in patients undergoing treatments for hematologic malignancies. Transpl Infect Dis. 2024; 26(2): e14236.